新しい人
新しい人
聖戦の名のもとに
あたかも 農民が畑を耕すように
ただパンの見返りに 砲弾を自分にむける
身も心も撃ち砕き 自分の血を垂れながす
暮れ残る夕陽が 青い夜の帳 (とばり)にかわる
「ひとつ」の時に抱かれたのはいつか
思い出そうともせず きょうも戦う
農民が畑を耕すように
ああ
わたしはあなた すべてひとつの「愛の粒子」
これが本当のわたしの姿
これが本当のあなたの姿
もう戦いは終わった
吐くほどの虚しさを知ったから
本当の自分から あまりに離れ過ぎたのを知ったから
「すべて必要」な時が流れるなかで
陽が暮れようとしている
血にまみれた服を脱ぎ捨て シャワーを浴びる
そして「ひとつ」の時のなかに溶け去る
青い夜の帳がおりるまで
そして 新しい人となる